(1) 東京外環道訴訟の口頭弁論が2021年9月6日(月)15時から東京地方裁判所103号法廷で開かれ、以下の2つの事件が併合審理されました。
第1事件は、2017年12月に外環道事業の無効確認・取消を求めて提訴してから4年目に入り、第12回口頭弁論です。第2事件は、東京外環道事業施行期間延伸差止訴訟(2020年12月25日提訴)で、第3回口頭弁論です。
事業者は昨年10月の調布陥没事故で停止させたシールド機を「保全」するためと称して7月16日に本格掘進を再開しました(大泉南工事区)。今回の法廷では、有識者委員会の「再発防止対策」のまやかしを明解に暴きました。
(2)開廷後、最初に、今回提出された準備書面と書証の確認がされました。
原告側からは、準備書面(31)〜(32)、書証甲159〜162-2号証が提出されました。被告側は、国から準備書面(16)、(17)と書証乙91-1〜93号証が、東京都から準備書面(3)が提出されました。
(3)次に、将来交通量について、原告代理人遠藤憲一弁護士は原告準備書面(31)の要旨を口頭で陳述し、原告準備書面(17)に対する反論である国の準備書面(15)に再反論しました。被告国は平成42年度の計画交通量推計が合理的と主張する。しかし、将来人口の減少、将来交通量の減少により、渋滞緩和や時間短縮効果が見込めないので大深度法第16条3号の公益上の必要性はない。国の主張を検証するために、その根拠となる「将来交通量推計(H17将来OD)」の提出を求めました。
(4)次に、陥没・空洞事故について、原告代理人武内更一弁護士は原告準備書面(32)の要旨を口頭で陳述し、本件シールドトンネル掘削工事によって、@昨年10月に調布市で発生した地表の陥没とその後に発見された地中の空洞及び周辺地盤の緩み等の発生のメカニズム、A原告らの居宅の地下等において同様の事故が発生する危険性があること、B事業者の調査に基いて「有識者委員会」が取りまとめた「再発防止策」なるものに実効性が認められないことについて主張、論証し、事業者らが再発の危険性を無視して大泉においてシールドトンネル掘進を再開していることを糾弾しました。
(5)次に、原告、丸山重威さん(陥没・空洞現場の近隣住民)が意見陳述を行いました。「この違憲状態を放置させてはならない―外環道建設が平穏な生活を奪っている」と題して、工事が引き起こした人権侵害、被害の現状を報告し、裁判所は直ちに大深度地下法の憲法違反を認定し、同法に基づくこの処分の違法を宣言すべきと訴えました。
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(6)今回提出された準備書面と書証
原告準備書面(31):国(15)への反論、将来交通量
原告準備書面(32):陥没・空洞形成メカニズム。「再発防止策」には実効性も実証性も無い
原告書証甲159〜162-2号証:有識者委委員会報告
被告国準備書面(16):酸欠気泡発生場所についての求釈明
被告国準備書面(17):都市計画事業施行期間延伸承認認可の適法性
被告国書証乙91-1〜93号証:事業延伸申請及び承認認可、事業再評価(2020年)
被告東京都準備書面(3):都市計画事業施行期間延伸承認認可の適法性
(7)最後に、今後の進行についてのやりとりと日程が確認されました。
次回の予定は、原告側は、被告国の準備書面(16)(気泡についての求釈明)に必要に応じて反論する、また、被告国の準備書面(17)(事業延伸承認認可の適法性)への反論と原告適格の立証の補充を行う。
被告側は、原告準備書面(22)(地下水関係)、(23)(説明責任)、(24)(地中拡幅部工法未定)、への反論と、原告準備書面(31)(将来交通量)の求釈明(将来交通量推計(H17将来OD))に対して提出の検討を行う。
書面提出期限 :10月29日(金)
進行協議 :11月16日(火)15時〜
第13回口頭弁論:11月24日(水)15時〜 東京地裁103号法廷
15:43に閉廷し、その後、報告集会が開かれました。
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丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房
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2021年09月12日
東京外環道訴訟第12回口頭弁論(2021年9月6日)の報告
posted by 東京外環道訴訟を支える会 at 21:35| Comment(0)
| 日記
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