2019年03月10日

第4回口頭弁論 原告の陳述(その2)

東京外環道訴訟の第4回口頭弁論が2019年1月15日東京地裁103号法廷で開かれました。
そこで二人の原告が、地元住民の生活や地域の自然環境、住環境を守る役割を担う自治体議員の立場から意見陳述を行いました。
 今回はその2として、原告の野村さんの意見陳述を以下にご紹介します。

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意 見 陳 述
平成31年1月15日
原告 野村 羊子


 原告の野村羊子です。
 私が26年間居住し、12年間市民の負託により市議会議員を担っている三鷹市には、東京外環道の巨大インターチェンジとジャンクションの複合施設が建設されようとしています。東西で約85メートルから150メートル、南北が約550メートル、菱形のような地形の中を開削で堀り下げ、掘削の深さは約15メートルから30メートル、10階建てビルを埋められる深さ。中央道の北側だけでおおむね100万立米の土砂等を搬出する予定です。その巨大な穴の中に、大深度40m以下にできる本線トンネルと地表の東八道路、さらに高架の中央道とをつなぐランプウェイ8本を折り重ねるように建設します。加えて本線トンネルから排気ガスを吸い上げ、粉塵除去装置を経て、地表15mの煙突から100m上空まで吹き上げるこれまた巨大な排気塔を2カ所建設するという前代未聞の工事です。

 地元ではもちろん工事中の振動・騒音、粉塵被害の問題もありますが、完成後は排気塔によるPM2.5を含む大気汚染が課題です。三鷹市は、南北に吹く風が季節を通じて多い地域です。しかも南風は北北西に傾きますので、この排気塔から排出された排ガスが、私の住む下連雀地域、三鷹市内の人口集中地域にも降り注ぐことになります。
 また、工事現場に最も近い北野小学校は、農地が多いにもかかわらず、北に東八道路、南に中央道があるため、ぜんそく罹患率が高い地域です。そこに今の倍以上の交通量となる外環道のインターチェンジ・ジャンクションに加え、トンネル内約9kmに及ぶ排ガスがそれぞれ排出されるわけですから、さらなるダメージとなり、ぜんそくや肺がんの被害が心配されます。

 しかし、環境影響評価では、この巨大な排気塔の影響をきちんと評価していないどころか、集塵設備では除去できないPM2.5の影響を全く考慮していません。環境基準は守られるべきです。環境基準が満たせない設備を作ることは違法だと言わざるを得ません。

 さて、三鷹市は、上水道を東京都に移管していますが、現在でも上水道の6〜7割が地下水のくみ上げによって賄われています。市内にある水道水源井戸は31ヶ所ありますが、そのうち約半数の14ヶ所が、この東京外環道沿線500mの範囲内にあるのです。
 水は命のもとです。飲料水となる地下水が、セグメントや裏込め剤に接しても本当に汚染されないのか。気泡シールド工法による注入薬剤で汚染されないのか。水質検査をしてほしいと何度言っても、その確約がえられません。

 地下の構造は、実は掘ってみなければ分からないと専門家は口を揃えて言います。
 事実、東名JCT工事現場では、酸欠ガスや地下水噴出事故が相次ぎました。土丹層、堅い地層だから大丈夫と言っていた事業者の言葉は、全く当てにはなりませんでした。
 実は工事ヤード以外にも、近くの清水川が夏の枯渇期にもかかわらず水が流れるようになったり、民地に水がしみ出したりという影響が出ていることが明らかになっています。地下水の流れが変わっている可能性があり、事業者の予測もつかない影響が実際に出ているのです。

 地表に影響がないから、地権者には何の補償もなく、どこをどう掘るといった具体的な事実をお知らせすることもないまま、人の家の地下にトンネルを掘ることを可能とした大深度法ですが、その根本から崩れています。

 三鷹市での事業範囲は延長約3.3キロ、家屋調査の対象は2,000軒に及びました。安心して深呼吸できる空気、安心して飲める水、安心して暮らせる家、それが外環道によって壊されるのは耐えられません。
最後に強調したいことは、都市計画決定に至る手続きやパブリック・インボルブメントはまやかし以外の何物でもなかったということです。今まで行われた課題検討会や説明会、オープンハウス等々は、住民の疑問に答えることなく、不十分な説明のみに終始し、住民を愚弄するものでした。決して住民合意が得られたと言えるものではありません。

 加えて、現実に起きている酸欠ガス継続的噴出や地下水の複数箇所での噴出の影響を過小評価し、ないもののように扱った上で、東名JCT工事ヤードからの民地への本格掘削開始の説明会を、世田谷区対象だけに狭めて実施し、沿線区市は無視して説明会を開かないまま、シールドマシンが到達する直前に周辺にチラシを配布するだけとする対応は、沿線の自治体をも軽視していることで許し難いことです。

 2019年1月26日に大泉JCT工事現場において、シールドマシンの発進式を挙行すること、および、1月中旬にシールドマシンが東名JCT工事ヤードより外の民間の住宅地に出て本格掘進をすることに対し、国土交通省と東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社に対し強く抗議をします。

 裁判長におかれましては、地表に影響を及ぼさないとした、大深度法の大前提が崩れている現状を事実として認め、今後の被害防止が可能となるよう訴訟指揮をしていただくようお願い申し上げ、本日の意見陳述を終えたいと思います。

*****[お知らせ]*****
東京外環道の真実を伝える本を広めてください!
 「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
  丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
  推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房

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posted by 東京外環道訴訟を支える会 at 13:03| Comment(0) | 日記
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