2020年12月28日

東京外環道事業延伸承認認可差止訴訟を起こしました(2020年12月25日)

 東京外環道の都市計画事業の施行期間は2020年3月31日までです。しかし、期間内に終了する見込みは全くありません。それ以降も事業を続けるために、事業者は事業施行期間の延伸申請を行い、国の承認と東京都知事の認可を求めます。

 そこで、2020年12月25日(金)東京外環道訴訟原告団・弁護団は、その延伸の事業計画変更を承認認可してはならないという差止訴訟を東京地方裁判所に起こしました。

その後、裁判所内の司法記者会において記者会見を行いました。
 まず、弁護団が、調布などでの気泡噴出、騒音、振動、陥没、空洞発生の状況から、大深度法の前提が崩れており、事業継続はあり得ないことなどの提訴理由を説明しました。
 第1回の口頭弁論は、3年前に提訴して現在係争中の無効等確認訴訟(次回期日3月2日午後3時から)と併せて審理される見込みです。
続いて、原告3名がそれぞれ現在の心境を述べました。
質疑応答の後、各社個別に弁護団、原告を取り囲んで取材をしていました。
出席された報道関係者は、産経新聞(12月の幹事社)、朝日新聞、共同通信、しんぶん赤旗、TBS、IWJ, フリーランスの横田氏。
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●東京外環道事業延伸承認認可差止請求事件

請求の趣旨
1 国土交通大臣は、国土交通大臣に対し、東京都市計画道路事業都市高速道路外郭環状線の都市計画事業につき、都市計画法第63条及び第61条に基づき事業施行期間を2021年4月1日から延伸する旨の事業計画変更の承認をしてはならない。

2 東京都知事は、東日本高速道路株式会社及び中日本高速道路株式会社に対し、東京都市計画道路事業都市高速道路外郭環状線の都市計画事業につき、都市計画法第63条及び第61条に基づき事業施行期間を2021年4月1日から延伸する旨の事業計画変更の認可をしてはならない。

3 訴訟費用は被告らの負担とする。
との判決を求める。

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2020年12月07日

第9回口頭弁論 原告の陳述(その2) 心配が現実になったトンネル真上の陥没事故

 東京外環道訴訟の第9回口頭弁論が2020年11月24日東京地裁103号法廷で開かれ、10月18日に外環トンネル工事現場の真上にある調布市ひがしつつじケ丘の住宅街で発生したことについて、近隣に住む二人の原告がそれぞれの立場から意見陳述を行いました。

 今回はその2として、原告の國井さわ美さんの意見陳述を紹介します。

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令和2年11月24日
意見陳述
原告 國井さわ美

 私は原告の國井さわ美です。
 平成30年3月13日にも陳述させていただきました。
 その時、東京外かく環状道路(以下外環道と言う。)が作られることによって、振動・騒音・地盤沈下・隆起・陥没が起きる心配があると述べさせていただきましたが、この心配が現実になりました。

 シールド機で地下が掘削された調布市東つつじヶ丘で、令和2年8月から9月にかけて振動・騒音・地盤沈下が起き、家のブロックが落ちる、亀裂が入るなどの被害が出ました。住民からの苦情が事業者に多数入っていたと聞いています。しかし、事業者は原因究明しないまま工事を進めてきました。住民に真摯に向き合わなかった報いなのでしょうか、令和2年10月18日には振動などが起きていた近くで陥没が起きました。

 まだ私の住む緑ヶ丘ではトンネルは掘削されていませんが、外環道が掘削された真上で起きた陥没事故により、我が家も陥没の被害にあわない保証は現時点ではありません。陥没の原因はまだわかっていませんがトンネル上に住む人はいつ再発するかもしれない・自分の家の真下に空洞が出来ているかもしれないという恐怖と不安の中で生活を余儀なくされている事でしょう。

 私はこれらの心配を以前より抱えて生活してきました。中央ジャンクションのランプウエイは2017年ころまでは本線より先に掘削すると中日本高速道路株式会社、東日本高速道路株式会社の社員より説明されていたからです。ランプウエイは大深度ではなく、浅深度です。このランプウエイ上には、手を掛け、心を砕き大切に育ててきたかけがえのない孫3人と娘夫婦が住んでいます。地層も今回陥没が起きた場所と同じ東久留米層ですので、心配は計り知れません。

 しかし、いつもの事ではあるのですが、ランプウエイがいつ掘られるのかの連絡はその後1度も有りません。一度言われたことがその後どうなったのかは、当事者は気になりますし、結果が分からなければストレスも溜まりますが「現時点では未定」だそうです。無責任だと考えますし、この事業者たちが信じられない一因でもあります。

 今回の陥没事故は、事業者が「シールド工事で、大深度での工事だから心配はいらない」と散々住民に言ってきた大深度上で起きたのです。本来問題なくシールド機が通過しなければならない場所で起きたのです。

 原因究明の為地盤状況調査と空洞調査をすると第22回東京外環トンネル施工等検討委員会(地表面陥没事象について)令和2年10月19日{資料1}、P10〜P13に記載されていますが、空洞調査は自走式電磁波地中レーダー探査車を使用する為、公道しか調査できません。また、探査深度1.5メートル程度と記載されており10月18日の陥没、11月2日の空洞は地下5mで起きているので空洞の発見は出来ないと考えます。

 神奈川県東部方面線新横浜トンネルに係る地盤変状検討委員会【令和2年6月30日に発生した横浜市道環状2号線の陥没について】(第4回)令和2年8月2日(日)開催の「ブリーフィング」では
陥没の要因を地中の事なので推定でしか分からない。詳細は分からない。と有識者の方は発言しました。以前から地下は掘ってみなければ分からない世界と言われてきました。ですから掘削前から不安を感じ疑問を事業者に問いかけてきたのです。

 今回は原因究明の調査を詳細に行ってくれるのでしょうか?事業認可されているのだから「有識者が大丈夫だと言っている」ということで事業者だけの判断で工事再開をするのではないでしょうか?安全である根拠、納得いく説明もせず、住民の承諾なしにいつものように工事を再開するのではないかと危惧しています。

 外環道事業は道路施設と維持管理に必要な幅1mを加えたものを立体的な範囲とし立体的な範囲の都市計画と定めています。この範囲でしか地下は使用できないはずです。しかし、そのような決まりは無かったかのように地上に酸欠空気、振動、騒音、地盤沈下を起こし、とうとう陥没の被害まで出現させました。

 この、決まりを守らない、危険な事は何でもありの外環道工事。
 生命の安全をしてもらいたく何度となく「生きていられますか?命の補償はして頂けますか?」と事業者に問いかけても「大丈夫、安心してください」と回答されたことは一度も無く、「全力を尽くします」と返されるだけでした。工事に「全力を尽くした」結果陥没したのですから生命の安全を保証するなど夢のまた夢だと言うことが分かりました。

 公共事業はささやかな住民の平和を望む気持ちや楽しみを奪い去るものなのでしょうか?
健康や財産さえも害するものなのでしょうか。
何故、この事業は認可されたのでしょうか?

 大深度地下使用法の認可の要件(4)に{事業者が当該事業を遂行する十分な意思と能力を有する者であること}と記されています。
 酸欠空気、振動、騒音、地盤沈下、陥没を起こす工事を行う事業者に事業を遂行するのに必要な能力があるとは思えません。
 そして仮に工事前から空洞があったと結論が出た場合、外環道工事が認可されたこと事態、法に抵触していると言わざるをえません。

 裁判所におかれましては、危険なトンネルの上に住む住民が、地盤沈下、陥没で命や静かで平和な生活、財産を奪われないよう、公正な裁判の下、認可の取り消しをお願い致します。

 以上をもちまして、意見陳述を終わります。

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2020年12月06日

第9回口頭弁論 原告の陳述(その1)陥没事故という「緊急事態」に直面して

 東京外環道訴訟の第9回口頭弁論が2020年11月24日東京地裁103号法廷で開かれ、10月18日に外環トンネル工事現場真上の調布市東つつじケ丘の住宅街で発生した陥没事故について、近隣に住む二人の原告がそれぞれの立場から意見陳述を行いました。

 今回はその1として、原告の丸山重威さんの意見陳述を以下にご紹介します。

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2020年11月24日

「緊急事態に直面して」―原告の意見陳述
原告 丸山重威

 私は原告の丸山重威です。新聞、テレビで大きく報道された調布市の住宅街の陥没と地下の空洞発見に関連して、状況をご報告し、改めてこの東京外環道建設の違憲性、違法性を訴えたいと思います。

 約1カ月前の10月18日昼、私の家から直線距離ですと約30メートル、私の家の前の道と並行したすぐ北の道ですが、東つつじヶ丘2丁目23番地の外環道トンネル真上の道路が陥没し、住宅のガレージの下まで大きな穴が空きました。続いて、この現場から10数b北側のやはり外環道トンネルの真上の土中に、長さ30メートルにわたる空洞が発見されました。トンネルの掘削シールド・マシンが通過して約1カ月後のことでした。国と事業者は陥没した穴を徹夜で埋め、空洞に関しては凝固剤を混ぜた土で塞ぐため、私の家の前はダンプカーとミキサー車がひっきりなしに通り、いまもボーリング調査で、落ち着かない日々が続いています。

 ご近所に陥没、空洞があったということは、私の家の地下にそれがあっても不思議ではありません。また工事が再開された場合、東側に並行している北行トンネルの建設は、何を起こすかわかりません。住民はこのコロナ禍の中で、何が起きるかわからない、どうすればいいのかわからない、という「不安」といつまで経っても事態が明らかにならないという「焦り」の中で過ごしています。

 国と事業者は、陥没と空洞の原因は不明だとしていますが、事業者が委嘱した有識者委員会の小泉淳早稲田大学名誉教授は「関係がないとは言えない」と記者会見で述べていますし、穴や空洞の修復、住民への説明などすべて外環建設の国と事業者が行っており、事実上、外環道工事が引き起こしたものであることを認めています。国と事業者は、シールドマシンの掘削をやめ、今頃になって、調査すると称して、近所でボーリングを始めました。私の家の筋向かいの道路でも工事が始まりました。

 こうした事態があって、外環道のことをよく知らなかった人々も含めて、驚いた住民が集まって、報告し合いました。ボールに入れた水が震える事象も報告されました。私たちの家の周辺では、外壁のタイルが落ちたり、敷石がずれたり、壁にひびが入ったりする被害が出ており、ずーんずーんーんと言う地響きのような音だけでなく、どーんどーんという音が聞こえた、という報告もありましたこれは、どうやら、マシンが硬い石に当たり故障したと報じられたときではないか、と推察もしています。

 私たちはこうした事態を、以前から予測し、その危険を訴えてきました。しかし、国も事業者も、「地上には影響しない」というウソの建て前を崩さず、住民からの訴えにも「もう少しで終わりますから」などと、その場しのぎの対応だけで、まじめに問題に取り組んでは来ませんでした。

 私は昨年9月の第7回口頭弁論で、私が地権者でありながら、地下の土砂が勝手に掘られて、トンネルができることを何も伝えられていないことをご報告し、補償がないまま一方的に所有権が制限する大深度地下法は、憲法29条に違反していると主張しましたが、こうした事件が起きたのは、間違いなく憲法の歯止めを外した法律と、それをいいことに計画、路線決定、工事などすべてで、関係住民の権利も生活も考慮せず、事務的に工事をこなす、杜撰な姿勢になっていった結果ではなかったかと思います。

 この意見陳述で私は、「地権者との合意を前提として用地取得をするには、一人一人地権者を特定し、個別の合意を得て、一筆ごとに土地調書を作るのが手間ひまがかかる。それで大深度法を構想したのだ」という当時の国土庁の局長の言葉を引用しましたが、もし、この大深度地下法がなかったら、今回のような陥没や空洞発見などという事件は、事前に発見され、対応されて、問題になるようなことはなかったでしょう。

 一例を挙げますと、今回の陥没や空洞発見で、土地の地盤が問題にされました。テレビなどでは、「こんなところをなぜ通すのだ」という専門家の意見もあったようです。では、具体的なコースの選定はどうやって行われたか。簡単です。それまで予定されていた高架で造ろうとしていた計画路線をそのまま地下に落としてコース設定がされたと言われています。地盤を調べて堅いところを選ぶとか、地下水の状況を勘案して決めるなどといったこともなかったようです。世田谷でコース上に1300年から1400年前の7世紀の古墳時代のものと推定される横穴墓が17基も見つかりました。殿山横穴墓群と呼ばれますが、他にあまり例がない大規模な遺跡で、貴重なものだと言われましたが、迂回することもなく、遺跡は一部を残して破壊されました。ビル建設などでは、地下50b、100bという場所でも区分所有権が設定されたり賃貸借契約が結ばれたりした例もあったようですが、「住宅地は無断無補償」と、大深度法が構想されたようです。

 そして本来、仮に法律ができたとしても、他人様の地下を勝手に掘り、住宅を支えている土を勝手に運び出していくのですから、一戸一戸、地権者の意見を聞き、調査を重ね、必要なら上の住宅の補強もして了解を得る位の努力が必要です。しかし、国にも事業者にも、その姿勢は全くありませんでした。「地上には影響がない」「道路建設は必要」という虚構の上に安住して、地上の住民のことには全く配慮しないまま建設が進んでいます。住民が「安全対策」を求めた際、国・事業者側から出てきたのは、「トンネルが崩壊して土砂が流れ込んだとき」の安全対策であり、住民に対するものではありませんでした。

 環境アセスメントについても同様です。本来これは、さまざまな建設に際し、環境を第一に考える立場からチェックし、必要な修正を加えるためのものです。しかし、既にこの法廷で問題にしているように、環境アセスメントの具体的な測定データは示さず、何を以て判断したのかさえ明らかでありません。大深度地下法の基本方針では、地下水位などの変化による地盤沈下や地下水の流動阻害、地盤変位などに特に配慮するようを求めていますが、事業計画には具体的な保全措置が考慮されていません。

 これらの事実は、国も事業者も、大深度地下法の成立、適用で安心してしまった結果、そこで配慮されるべき住民の権利、安全で平和に住み続ける当然の権利には目を向けず、ただスピードと効率を求め、「地下のことはわからない」と、杜撰な建設を進めることになったのではないかと思います。このずさんな工事は、大深度地下法が、憲法29条に違反し、何の条件も定めず財産権を無償で制限することを認めたことで「歯止め」を失った国と事業者が、今度はそこで決めた規制さえ無視して暴走したことを示しています。

 憲法は公共の福祉のために私有財産を用いることを認めています。しかし、いま、具体的情報は与えられないまま、いきなり自分の家の下に穴が空いて、避難を余儀なくされる人に、「みんなのためだ。我慢して」といえるのでしょうか。私の家の下も陥没しかねない。そんな不安な状況に住む、私たちを、国は日本国憲法は放置するのでしょうか。

 裁判所の賢明な判断を改めてお願いします。


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