2020年11月29日

東京外環道訴訟第9回口頭弁論と報告集会(2020年11月24日)の報告

[1] 東京外環道訴訟 第9回口頭弁論の概要

◆10月18日に陥没事故が外環トンネル工事現場真上の調布市東つつじヶ丘の住宅街で発生し、11月3日に最初の空洞、そして11月21日に第2の空洞が確認されて3日後の法廷。
 最初に2名の原告が、陥没事故について意見陳述を行いました。
 次に原告側弁護団は、4つの準備書面(21)〜(24)と書証によって論証し、被告を追及しました。
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巨大陥没穴(長さ6m幅5m深さ5m)

(1)東京外環道訴訟の第9回口頭弁論が2020年11月24日(水)14時から東京地方裁判所103号法廷で開かれました。コロナ禍により98席の傍聴席が三密対策で約50席。陥没事故の評判に配慮したのか、今回はじめて傍聴席が抽選になりました。原告側の傍聴者は幸い全員入れました。
 次の第10回口頭弁論は、2021年3月2日(火)15時から103号法廷(傍聴約50席)で開かれます。コロナ緊急事態宣言(延長)期間内ですが多くの方の傍聴をお願いいたします。

(2)開廷後、最初に今回提出された準備書面と書証の確認がされました。
 原告側からは、準備書面(21)〜(24)、誤記訂正書、書証甲140〜149号証、文書提出命令申立と文書提出命令についての意見書(1)。
 被告側は、国から準備書面(12)〜(13)、書証乙69〜80の4号証。

(3)次に、2名の原告、丸山重威さん(陥没・空洞現場の近隣住民)と國井さわ美さんが意見陳述を行いました。調布市の住宅街で発生した陥没と地下空洞の状況を報告し、改めてこの東京外環道建設の違憲性、違法性を訴えました。そして危険なトンネルの上に住む住民が、地盤沈下、陥没で命や静かで平和な生活、財産を奪われないよう、公正な裁判により認可の取り消しがなされることを求めました。
(原告意見陳述の詳細:丸山さんはここ、國井さんはここ

(4)次に、原告弁護団(遠藤憲一弁護士・吉田哲也弁護士)は、4つの準備書面の内容について説明し、外環工事真上の調布市の道路陥没から大深度法自体の違憲性および本件事業の大深度法違反性を、ボーリング調査について大深度法16条5号違反を、説明責任について大深度法16条5号違反を、施行期間が適切性を欠き、都市計画法61条違反を論証し、被告を追及しました。

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(写真左:吉田哲也弁護士、中:遠藤憲一弁護士)

 準備書面(21)では、10月18日に発生した外環工事真上の調布市の道路陥没および11月に相次いで確認された2つの空洞から本件工事が地表に陥没や地盤沈下を生じさせる危険性を有するものであり、地表に影響がないことが大前提の大深度法自体が憲法29条に違反する無効の法律であり、その法律に基づく大深度地下使用認可は無効であること、また、大深度法第16条5号(「基本方針」に適合することとの認可要件)に違反する違法な認可であることを論証しました。

 準備書面(22)は、被告国準備書面(9)に対する再反論。被告国は、十分な数のボーリング調査がされたとするなど「地盤沈下の調査、予測及び評価は適切に行われ、環境保全措置により地盤沈下の影響を回避又は低減されると適切に評価されている」と主張している。しかし、今回の陥没事故の発生は、全く逆に環境影響評価の調査・予測・評価がすべて誤っていたことを事実を以て示している。大深度法16条5号に適合するとした国土交通大臣の判断に裁量権の逸脱又は濫用があったことは明白であり、本体各処分はいずれも違法である。

 準備書面(23)は、国準備書面(7)に対する再反論。説明責任について、事業者が認可申請前から行っていた住民への「説明会」において、「使用認可申請書」及び「添付書類の内容」について実質的な「説明」がなされず、住民の質問、疑問、懸念に対する回答ができないまま、本件シールドトンネル工事を強行した。その結果、酸欠空気の地表漏出や、地表の住民に工事の振動という「被害」を及ぼし、ついには本年10月18日の陥没事故を発生させたのである。大深度法16条5号違反である。

 準備書面(24)は、国準備書面(8)に対する再反論。国は、承認・認可時点では地中拡幅部はパイプルーフ併用NATM工法で計画されていたと主張するが、すでに倉敷シールドトンネル崩壊事故等をにより、その形状、工事方法の見直しが進められており、変更前の工法を前提にした施行期間は、裁量判断の前提事実を全く欠いた期間設定であり、都市計画法61条に違反するものである。

(5)被告国の準備書面(12)は、原告準備書面(16)に対する反論と求釈明に対する回答。大気汚染に関する環境影響評価に関するもの。
被告国の準備書面(13)は、原告準備書面(11)及び(15)に対する反論及び求釈明への回答である被告国の準備書面(9)を補充するもの。ボーリング本数に関するもの。

(6)最後に、今後の進行についてのやりとりと日程が確認され、14:40閉廷しました。
 原告側は、11月4日と22日に公表された空洞については、有識者委員会の結果にもよるが、次回以降に主張立証を行う。
 被告側は、国は、原告準備書面(18)野川酸欠空気漏出(野川第二次)、(19)新横浜トンネル直上の道路陥没、(20)事業再評価、に対する反論と求釈明への回答、原告からの文書提出命令に対する回答を行う。東京都はなし。
 書面提出期限  :2月17日(水)
 進行協議    :2月24日(水)14時〜
 第10回口頭弁論:3月2日(火)15時〜 東京地裁103号法廷

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[2] 報告集会の概要

◆被害住民は陥没・空洞に不安の日々。危険な事業は止めるしかない

(1)閉廷後、15時30分から衆議院第2議員会館第1会議室にて報告集会を開催しました。約40名の参加。

 意見陳述を行った原告から、空洞の充填作業など陥没以降生活道路を通行止めにしてボーリング調査や空洞充填作業が行われ、工事現場と化した被害地域の深刻な状況報告と16.2km全線の住民の団結の呼びかけがありました。

 弁護団からは、法廷でのやり取り、背景、今後についての解説がありました。国は住民の主張を「抽象的な危険」に過ぎないと言い逃れしてきたが、陥没でこちらの主張が正しいことが明らかになった。もう工事を止めるしかない。

 3名の国会議員(宮本徹衆議院議員、山添拓参議院議員、大河原雅子衆議院議員)から、「工事現場の直上の陥没・空洞から工事との因果関係は明らか。ずさんな大深度法明らかになった。誰も責任を感じてないのではないか。臨時国会で追及する。市民の訴えを受け止める司法に」などと連帯と激励ののご挨拶がありました。

 活発に質疑応答や意見交換がなされました。
 ・10月18日の陥没時のビデオ上映、
 ・原因の推定は杜撰な工事(ボーリング本数がいかに少ないか、土砂の取り込み過ぎなど)、
 ・被害住民の方からの報告(不安な日々を過ごしている。11月3日に住民集会を開き、まとまって行動しようとしている。マスコミの取材を拒否する住民説明会の中身に嘘がある)、
 ・裁判の今後の進行について(R3.3.31で切れる事業施行期間の延伸差止訴訟提訴を12月に予定。気泡シールド工事差止仮処分申立に陥没を追加して継続など)
 ・国会、都議会、区市レベルでも追及していこう、など。

 道路やリニア新幹線の運動や裁判をされている方々からは、被害住民へのお見舞いや励ましの言葉を頂きました。また、横浜環状南線やリニアなどにも使用されるシールド工事の危険性など情報共有し合った有意義な集会でした。

 多くの方に支えられて第9回口頭弁論と報告集会を終えることができ、お礼申し上げます。
 なお、外環ネットからは「住宅街陥没!東京外環道事業・工事の中止を求めます」署名活動開始のお知らせと協力要請があった。

 第10回口頭弁論は2021年3月2日(火)15時から東京地方裁判所103号法廷(傍聴約36席)です。傍聴お願いいたします。

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(写真上:宮本徹衆議院議員、写真中:山添拓参議院議員、写真下:大河原雅子衆議院議員)

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2020年11月12日

東京外環道訴訟第9回口頭弁論11月24日(火)のご案内

 外環トンネル工事現場真上の調布市の住宅街で陥没が発生し、大深度法合憲論の前提が崩れました。
 11月24日の法廷では、国を徹底追及します。


(1)東京外環道訴訟第9回口頭弁論のご案内
 東京外環道訴訟の第9回口頭弁論は、11月24日(火)14時から東京地裁103号法廷にてに開かれることになりました。
 多くの方の傍聴をお願いいたします。とはいえ、コロナ禍の第3波の兆候がありご無理なさらないでください。
 
 原告は今回の法廷において、2020年10月18日に外環道本線トンネル工事上の調布市の住宅街で発生した道路陥没に基いて、本件工事が地表に陥没や地盤沈下を生じさせる危険性を有するものであることを主張し、大深度法の違憲性及び本件各処分の違法性を論証します。
 その他に、国の準備書面(9)(ボーリング調査の適正性の主張)に対する反論なども行います。


傍聴をお願いします。
 大法廷103号法廷の傍聴席は、コロナ対策のため98席の約半分(約50席、但し記者席を含む)になります。
 今回は、傍聴は抽選になるとのことです。13時20分頃から抽選券を裁判所敷地内の建物入口の外(右側)で配布し、並んで待つ。多分13時40分頃に締切り、抽選。当選したら傍聴券と引き換え。
13時30分までに来て抽選に参加してください。
 なお、満席になってなければ、そのあとでも入れますが、、)。
 入れなかった方も15時30分(予定)からの報告集会に参加してください。

報告集会にもご出席ください。
 裁判終了後、報告集会を15時30分(予定)から衆議院第2議員会館(B1F) 第1会議室にて行います。
こちらも参加してください。調布市の陥没事故などについて、弁護団から詳しい報告・解説がされます。

● 東京外環道訴訟第9回口頭弁論
  11月24日(火)14時開廷〜(14時45分)
   東京地方裁判所1階103号法廷(※傍聴席約50席)

  (地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口)
   原告2名と弁護団が意見陳述を行います。
   
   傍聴券抽選 13時40分頃
  ※大法廷の103号法廷の傍聴席(98席)はコロナ対策のため、
  間隔をあけて半分程度(約50席)になります。
   
● 15時30分(予定)〜 報告集会
   衆議院第2議員会館(地下1階) 第1会議室
   (15:10頃〜1階ロビーで入館証配布)
   丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」1番出口より徒歩6分
   弁護団から解説がされます。

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(写真左右:10月18日調布市で陥没発生)(詳細はこちら)


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調布市の外環道工事現場真上の道路宅地陥没事故に関する声明、東京外環道訴訟の原告団・弁護団

 東京外環道訴訟の原告団と弁護団は2020年10月28日、「調布市の外環道工事現場真上の道路宅地陥没事故に関する声明」を10月28日に発表し、東京都千代田区で記者会見を行いました。
 声明は、古びた、間違った政策を改め、大深度法の違憲性を認め、この外環道事業を中止し、大深度法を廃止することを求めるものです。
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(写真上:記者会見)
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(写真上:声明読み上げ)

 以下はその声明文です。
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2020年10月28日調布市の外環道工事現場真上の道路宅地陥没事故に関する声明
東京外環道訴訟 原告団・弁護団

とうとう恐れていたことが起きました。
2020年10月18日昼、調布市東つつじヶ丘の道路と住宅下で陥没が発生しました。
東京外かく環状道路(以下「外環道」)掘削工事のシールドマシンが通過した 1 か月後でした。
これは、訴訟前から私たちが主張してきた、外環道建設事業の計画そのものの無謀さと違法性、「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」(以下「大深度法」)の違憲性、本件大深度地下使用認可の違法性、さらに工事施工のずさんさをあきらかにするものです。

国、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社(以下「事業者」)は、シールドマシンの掘削を中止し、6m×5m×深さ5mの陥没箇所には応急措置として土砂による埋め戻しをしました。
しかし、再陥没による2次被害等の危険は去っていません。陥没の後にも、家がきしむなどの事態も発生しています。
いつどこで陥没が再発するかわからない、自分の家の真下に空洞ができているかもしれないという恐怖と不安の中に、住民たちはおかれています。
一刻も早く事業を中止し、被害の回復・補償を行うことを求めます。
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(写真上:陥没の大きさ説明)

また、事業者はこれまでの掘削地域の近隣の多くの住宅で振動やひび割れ等の被害が出ていることを無視しています。
本来、大深度法は、地上に影響はないことを前提につくられています。
それにもかかわらず、このような被害が発生したことは極めて重大です。

陥没周辺地域のみならず、既に工事済みの地域やこれから掘進予定の地域での詳細な調査を実施し、住民のいのちと健康、安全な暮らしに問題がないことを確認しなければなりません。
当然のことながら、決して再発しないという確証が得られない限り工事を再開することは許されません。
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(写真上:「トンネルの真上に巨大トンネルはいらない」 警告の書の紹介)

私たちは、この外環道建設が地下化によって動き出した当初から、国と東京都、ネクスコ2社に対し問題点を指摘してきました。
現実に発生している酸欠空気・地下水の噴出、振動・騒音・低周波音、地盤沈下、陥没など被害が、住民のいのちと暮しを脅かしている事実を訴え、抜本的解決を求めてきました。
本年5月27日には酸欠空気噴出に対して、工事差し止め仮処分申請を起こしました。

そもそも今回の問題は、所有権を認めながら、地権者に一切の相談・説明もなく、承諾や補償もないまま、「通常使われない」ものとして大深度地下使用を認めた「大深度法」が、憲法29条に明らかに違反していることにあります。
さらに法の指示による手続きを怠り、必要な事前の調査、確認さえ不十分なまま、工事を突き進めてきた、ずさんな判断、計画決定と工事施工によるものです。
人権を無視し、説明責任を果たさないまま、事業を強行してきた事業者の責任は重大です。
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(写真上:陥没は憲法違反の大深度法の結果)

1966年に計画決定された外環道計画は、高架を地下化し、工事は今後10年以上伸ばし完成時期は不明なまま、費用も当初の倍の2兆4千億円に上積みしても続けようとされています。
社会情勢、経済情勢の変化によりその社会的必要性も薄れているにもかかわらず、実施し続ける意味があるでしょうか。

私たちは、国、東京都、ネクスコ2社に、古びた、間違った政策を改め、大深度法の違憲性を認め、この外環道事業を中止し、大深度法を廃止することを求めます。
民主主義国家には、一戸の住宅に住む、ひとりの国民のいのちと健康、暮らしを壊して成り立つ
「公共事業」など、断じてありえません。

以上


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