2020年09月21日

東京外環道訴訟第8回口頭弁論と報告集会(2020年9月9日)の報告

[1] 東京外環道訴訟 第8回口頭弁論の概要

◆コロナ禍により9か月ぶりの法廷。交通量減少や事業費7600億円増加などにより公益性なし、シールド工法による3回目の酸欠空気噴出(野川(調布市))や陥没事故の危険から違憲・違法、と被告を追及


(1)東京外環道訴訟の第8回口頭弁論が2020年9月9日(水)14時から東京地方裁判所103号法廷で開かれました。コロナ禍により延び延びになり昨年12月から9か月目です。98席の傍聴席が三密対策で36席になり、入れなかった方には申し訳ないことをしました。
 次の第9回口頭弁論は、2020年11月24日(火)14時から103号法廷(傍聴約36席)で開かれます。多くの方の傍聴をお願いいたします。

(2)法廷では最初に、今回提出された準備書面と書証の確認がされました。
 原告側からは、準備書面(17)〜(20)、書証甲98〜139号証。
 被告側は、国から準備書面(9)〜(11)、書証乙64〜68号証。

(3)次に、原告弁護団(武内更一弁護士・遠藤憲一弁護士・吉田哲也弁護士)は、4つの準備書面の内容について説明し、公益上の必要性(大深度法16条3号)の判断に用いられた交通量予測の不適切性を、また、野川(調布市域)への酸欠空気漏出、および相鉄・東急直通線の新横浜トンネルのシールド工事現場直上の道路陥没事故から大深度法自体の違憲性および本件事業の大深度法違反性を、さらに、事業再評価により事業費が約7600億円増加し(青梅街道IC増加分は入ってない)、約2兆3575億円(認可時計画の約1.8倍)となることが明らかになったこと等から本件事業の都市計画法61条違反を論証し、被告に今後の費用増加の見込みについて釈明を求めました。
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(写真左:遠藤憲一弁護士、中:武内更一弁護士、右:吉田哲也弁護士)

 準備書面(17)では、大深度法第16条3号(公益性の必要があること)に適合するという判断には裁量権の逸脱ないしは濫用があると主張しました。その根拠として、被告国は将来人口減少の事実を無視していること、15年前の平成17年度道路交通センサスに基づく平成42年将来交通量推計に妥当性はないこと、環状8号線等の交通量減少傾向の事実、外環道整備による時間短縮効果に合理的根拠がないこと(大泉JCTから羽田空港まで外環道利用で約70分に対し、NAVITIME2019によると高速道・中央環状経由は約50分で20分速いなど)、事業の費用便益比の「その他道路」による水増し操作による公共性の仮装を指摘しました。

 準備書面(18)では、東名北工事の気泡シールドトンネル工事により、2020年3月以降に調布市域の野川で生じている致死濃度の酸欠空気漏出(野川第二次)の事実から、大深度法自体が憲法29条に違反する無効の法律であり、その法律に基づく大深度地下使用認可は無効であること、また、大深度法第16条5号(「基本方針」に適合することとの認可要件)に違反する違法な認可であることを論証しました。

 準備書面(19)では、2020年6月12日と30日に発生した横浜環状2号線の道路陥没事故の原因が、相鉄・東急直通線の新横浜トンネルのシールド工事にある事実から、地表に影響がないことが大前提の大深度法自体が憲法29条に違反する無効の法律であり、その法律に基づく大深度地下使用認可は無効であること、また、大深度法第16条5号(「基本方針」に適合することとの認可要件)に違反する違法な認可であることを論証しました。

 準備書面(20)では、2020年7月30日に開催された関東地方整備局事業評価監視委員会において、事業費見込みが、2016年再評価時から7600億円増加し、2兆3575億円になり、都市計画事業承認・認可時の1兆2821億円の約1.8倍、都市計画事業変更承認・認可時の1兆3731億円の約1.7倍になる事実から、都市計画事業承認・認可および都市計画事業変更承認・認可は都市計画法61条違反であることを論証し、今回の再評価額に含まれていない青梅街道IC地中拡幅部の増加費用等を明らかにするように釈明を求めました。

(4)被告国の準備書面(9)は、原告準備書面(11)と(15)に対する反論と求釈明への回答で、地下水関係(ボーリングデータ、三次元浸透流解析など)の問題点の主張。
被告国の準備書面(10)は、原告準備書面(13)に対する反論と回答で、野川漏気に関するもの。
被告国の準備書面(11)は、原告準備書面(14)に対する反論で、白子川漏気に関するもの。
 
(5)最後に、今後の進行についてのやりとりと日程確認になりました。
 原告側は、被告国の準備書面(7)(8)に反論する。
被告国は、原告準備書面(16)に反論する。地質柱状図に外環道をプロットしたものを提出する。
被告国は、準備書面(10)で述べたとおり、掘進日報の黒塗り箇所の開示の必要性はないとしたので、原告弁護団は文書提出命令の申し立てを行うことにしました。
 以下の日程が確認されて14:40閉廷しました。
 
 書面提出期限 :2020年10月末日
 進行協議   :11月12日(木)14:00〜
 第9回口頭弁論:11月24日(火)14:00〜 東京地裁103号法廷

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[2] 報告集会の概要

◆事業費7600億円増加、無駄な道路をいつまでも造り続ける政治の見直しを


(1)閉廷後、15時15分から衆議院第2議員会館第1会議室にて報告集会を開催しました。約40名の参加。
 弁護団から法廷でのやり取り、背景、今後(青梅街道IC取消訴訟、R3.3.31で事業施行期間が切れるので認可延伸申請等)について解説があり、質疑応答(仮処分の状況、再評価での付帯意見など)が行われました。
 3名の国会議員(山添拓参議院議員、宮本徹衆議院議員、大河原雅子衆議院議員)から、「採算の取れない高速道路・不要不急の公共事業をどこまでも続けるのか、コロナ禍で生活に困っている方に手を差し伸べるようにお金の使い方を見直すべきでないか、PI市民参加ではじまったのはよいが、いつの間にか市民の声を無視した政治や間違った民主主義になってないか、などを国会で質していきたい、という趣旨のご挨拶を頂きました。
 また、道路やリニア新幹線の運動や裁判をされている方々と情報共有し、励まし合った、有意義な集会でした。
 多くの方に支えられて第8回口頭弁論と報告集会を終えることができ、お礼申し上げます。

第9回口頭弁論は2020年11月24日(火)14時から東京地方裁判所103号法廷(傍聴約36席)です。傍聴お願いいたします。
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(写真上:山添拓参議院議員、写真中:大河原雅子衆議院議員、写真下:宮本徹衆議院議員)

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 「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
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posted by 東京外環道訴訟を支える会 at 18:50| Comment(0) | 日記