2019年02月24日

東京外環道訴訟(1月15日)第4回口頭弁論の報告。 大法廷ほぼ満席の傍聴に感謝。 地下トンネル工事は地盤沈下や陥没の危険性があり違法。

[1] 東京外環道訴訟 第4回口頭弁論(2019年1月15日)の概要

(1)東京外環道訴訟の第4回口頭弁論が2019年1月15日(火)14時から東京地方裁判所103号法廷で開かれました。寒い中、前回同様大法廷の傍聴席をほぼ満席にしていただき、支援者のみなさまに心からお礼申し上げます。
 次回の第5回口頭弁論は、5月15日(火)14時から103号法廷(傍聴100席)で開かれます。今回同様多くの方の傍聴をお願いします。(注:4月25日から5月14日に変更)

(2)法廷では最初に、右陪席裁判官の交代により、弁論更新が行われました(従前どおり)。
次に、今回提出された、原告準備書面(4)〜(7)と書証甲34〜76号証、被告準備書面(2)と乙28〜32号証の確認がされました。

(3)弁論更新にあたり、原告2名、海野純弘さんと金子秀人さんがそれぞれ、第2回と第3回に行った意見陳述を要約して行いました。海野さんは、「世界最大級の難工事」という地中拡幅部の危険性を、金子さんは、新たに野川の気泡噴出箇所に中州が誕生したと地表の異変について陳述しました。
 次に、今回新たに2名の原告が、地元の住民の生活や地域の自然環境、住環境を守る役割を担う自治体議員の立場から意見陳述を行いました。

 山田耕平さんは、野川に噴出した致死レベルの酸欠ガスや地下水が杉並区でも噴出すれば、善福寺池の水辺で川遊びをする子どもに与える危険性は大きく、地上部分に影響が発生することは許されない。
 また、国・事業者の基礎自治体への不誠実な対応は目に余る。沿線自治体・議会・沿線住民から出されている様々な質問や要望に対し、説明責任は果たされておらず、質間や要望は常に棚上げにされてきた。
 沿線自治体での住民説明会が未開催のまま、本年1月中旬にも工事を再開し、シールドマシンが東名JCT工事ヤードより外の民間の住宅地に出て行く本格掘進を強行する国・事業者の姿勢は、住民の生命と安全に責任を負う基礎自治体を軽視し地方自治と地方分権を蔑ろにするもので、工事は中止すべきと訴えました。

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(写真左:山田耕平さん、右:野村羊子さん)

 野村羊子さんは、三鷹市につくられる、最大で東西150m、南北550m、深さ30m、搬出土砂100万立米の巨大な中央ジャンクション・東八インターチェンジ複合施設の工事による振動・騒音、粉塵などの被害、完成後は2本の排気塔からの大気汚染(PM2.5の環境影響評価を行っていない)、トンネル工事に使用される薬剤による、飲料水に利用している地下水汚染などの危険性をあげ、安心して深呼吸できる空気、安心して飲める水、安心して暮らせる家、それが外環道によって壊されるのは耐えられない。地表に影響を及ぼさないとした、大深度法の大前提が崩れている現状を事実として認め、今後の被害防止が可能となるよう訴訟指揮を裁判長に訴えました。

(4)次に、武内更一弁護士が、準備書面(4)〜(6)を陳述しました。
 準備書面(4)について「地下トンネル工事による地盤沈下及び陥没の危険性」を岡山県倉敷市のシールドトンネル水没・損壊事故(5名死亡)など4つの事故例をあげて陳述しました。

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(写真上:地下鉄工事による博多駅前道路陥没の断面図のイメージ)
(写真下:横浜環状北線工事により周辺の住宅地に地盤沈下が発生)
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(5)次に、遠藤憲一弁護士が準備書面(7)を陳述しました。
 これは被告国の準備書面(1)に対する求釈明で、大深度法16条各号の要件を満たしているという根拠や、環境影響評価に用いたデータの提出などを求めました。
 
(6)最後は、今後の進行についてのやりとりになりました。
 原告側は、酸欠気泡噴出についての求釈明の準備書面(8)を1月末までに提出する。
 国は、原告に対する反論と求釈明書面への答弁書を3月末までに提出する(準備書面(8)への答弁書は遅れる)。
  次回弁論期日は、2019年5月14日(火)14時〜(14:30)東京地方裁判所103号法廷です。今度も是非満席になるように多くの方の傍聴をお願いいたします。
(注)1月15日には次回は4月25日となったが、その後、裁判所の都合で5月14日に変更

[2] 報告集会の概要

(1)14時36分の閉廷後、衆議院第2議員会館に移動し、15時から報告集会を開催しました。
 裁判所から一駅の移動にもかかわらず、約70名の方々にお集まり戴き、お礼申し上げます。
国会議員やその秘書の皆様にも駆けつけていただき、連帯と激励のお言葉を頂きました。

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(2)原告団からお礼の挨拶と意見陳述を終えての一言
 意見陳述を行った自治体議員の原告2名からは、酸欠気泡の問題の原因・対策の十分な説明がないままの工事再開に自治体も住民無視と怒っている。説明会のないまま工事を始めてよいのか。東名も大泉も工事をとめたい。皆さん、各地域の首長に「抗議の声を挙げてください」と要請しましょう。

(3)弁護団から法廷でのやりとりの報告と解説
 武内弁護士から、多くの皆さんの傍聴は裁判所への圧力になるとのお礼のあと、法廷でのやりとりの報告と解説がされた。
 裁判官交代による弁論更新として、これまでに原告6名が陳述したなかから2名が各3分、思いや怒りを伝えた。更に新たに2名の原告が自治体議員としての見地から陳述された。
 書面を4つ出した。大判のパネルで博多陥没事故などの事故例を出して、住宅の地下でのトンネル工事は危ないことを強調した。シールドトンネルや拡幅部の出水事故例が大深度地下使用認可以前に発生している。危険を認識したのにトンネル施工等検討委員会の結論が出ないまま認可を出したことは違法である。
 地中拡幅部の工事の入札条件は設計に1年3か月かける、工事方法も決まってない、できるかわからないのに工事を進めているのは出鱈目である。東京五輪の半年後の2021年3月末が都市計画事業承認・認可の期限だが、期間内にできないことは明らかで、期間の延長認可申請をしてくるだろうが、それも争う。国がまともな主張・反論してないところをあぶり出して行きたい。

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(写真左:遠藤憲一弁護士、右:博多駅前陥没報道と武内更一弁護士)

 遠藤弁護士からも継続的な傍聴のお礼とお願いのあと、国に中身を明らかにせよと求釈明を行ったこと、更に、国が昨年12月に提出した準備書面(2)は酸欠気泡についての説明だがひどい内容である。国の代理人は気泡によって権利侵害や被害(のおそれ)が発生したのか?抽象的な危惧感を根拠に違憲性を主張することは「失当」だという。冗談ではない、怒るべきだ。これに対する求釈明の準備書面を1月末までに提出し、追及する。

 弁護団の報告等に続いて、質疑応答や意見交換、情報共有がなされました。

(4)国会議員から連帯・激励の挨拶
 国会会期中にもかかわらず報告集会に駆けつけてくれた2名の国会議員、立憲民主党の初鹿明博衆議院議員(超党派議連の「公共事業チェック議員の会」事務局長)と日本共産党の山添拓参議院議員(国土交通委員会所属)から力強い激励、連帯のご挨拶をいただきました。また、日本共産党の宮本徹衆議院議員秘書、吉良よし子参議院議員秘書も参加されました。

● 初鹿明博衆議院議員からは、
 外環も他の大型公共事業も、いったん計画が進みだすと、途中でおかしいと思っても止まらない構造が続いている。外環道で、この構造を止める前例を皆さんと協力して作っていきたい。安倍政権の乱暴な様々なことを止めるために頑張りたい。

● 山添拓参議院議員からは、
 地表に影響が出たことで、大深度法の前提が崩れた。法的にも事実としても、この仕組
みをこのまま使わせてはいけない。地中拡幅部に関しても技術評価委員の公正中立が担
保されていないことを追及している。国会、法廷の内外で一緒に力を合わせよう。

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(写真左:初鹿明博衆議院議員、右:山添拓参議院議員)

(5)道路・リニアの運動団体からの挨拶と報告
● とめよう外環の2練馬の会
 11月28日に外環の2練馬1km訴訟は上告棄却となった。1月28日に大泉勤労福祉会館で抗議集会を行う。11月25日に上石神井駅周辺の南北道路(外環の2)の認可と交通広場の認可がされたので、対応を検討する。また、外環道についても今日のことを参考に地域住民にPRしたい。。
 
● 横浜環状道路(圏央道)対策連絡協議会(連協)は、横浜環状南線について30年運動をしてきた。裁判は8回行ってきた。現在は、収用法が適用され、工事が始まりつつある。しかし、環境を守る運動を続けている。換気装置に脱硝装置が横浜環状北線はついているのに、南線ではつけない。横浜市長も必要であるというのに南線ではつけない。自治体を馬鹿にしている。議員に働きかけている。裁判はヒントが得られないかと毎回傍聴している。これから立坑掘ってシールドマシンを入れる。そこで工法を尋ねてもごまかして答えなかったが、ようやく外環と同じ方法でやるとの発言で気泡問題も大変。裁判も傍聴して勉強し、地元に報告する。
 補足意見:外環道も脱硝装置付けない。アセスで問題ないから。中央環状線はついている。住民を差別している。自治体を無視するところは外環も同じ。今後、事業者が安全という大気空間は、「開放された」大気空間であるか、(半)閉鎖空間かを確認してほしい。

● 都市計画道路関係の団体の参加者については、時間の都合で都市計画道路問題連絡会の世話人である長谷川さんからご紹介されました。
  玉川上水杉並の会、道路問題しながわ連絡会、住民の暮らしと安全・環境を守る会(品川補助29号線)、くらし・環境・歴史遺産を守る住民の会(補助86号線赤羽西(北区))、都市計画道路を考える小金井市民の会、三井グランドと森を守る会、補助26号線を考える会(大山ハッピーロード(板橋区))

 都市計画道路の裁判の日程は、道路連絡会のHPに掲載されています。お互いに支援することは力になります。是非、傍聴をお願いします。

(6)大泉南工事のシールドマシン発進式への抗議行動
 大泉南工事のシールドマシン発進式が1月26日に大泉JCT工事現場で開催される。発進式に招待された人にアピールするために、会場周辺で行う抗議行動への参加呼びかけがありました。

(7)工事強行に対する抗議・中止を求める要請書を採択
 最後に、外環ネット・東京外環道訴訟を支える会・東京外環道訴訟第4回口頭弁論報告集会参加者一同から、国交大臣、東京都知事、ネクスコ東日本、ネクスコ中日本の4者に対する「東京外環道の本線トンネル工事大泉南工事及び東名北工事に係るシールドトンネル工事強行に抗議し、工事中止を求める要請書(案)」を読み上げ、拍手で採択しました。

 皆さま、お疲れさまでした。
 多くの方に支えられて第4回口頭弁論と報告集会が終わったことにお礼申し上げます。
 第5回口頭弁論は2019年5月14日(火)14時〜(14:30)東京地方裁判所103号法廷です。
 引き続きご支援、傍聴お願いいたします。

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 「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
  丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
  推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房

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posted by 東京外環道訴訟を支える会 at 17:11| Comment(0) | 日記