2018年10月15日

東京外環道訴訟(10月9日)第3回口頭弁論の報告。大法廷もほぼ満席の傍聴に感謝。地下の掘削現場から野川の水面に酸欠空気が噴出(動画の証拠調べ)。大深度法合憲論の前提は崩れた。

[1] 東京外環道訴訟 第3回口頭弁論(10月9日)の概要

(1)東京外環道訴訟の第3回口頭弁論が2018年10月9日(火)14時から東京地方裁判所103号法廷で開かれました。今回も多くの方が傍聴していただきお礼申し上げます。過去2回は52席の傍聴席で入れない方が多く出たので、今回から100席の大法廷になりました。それでもほぼ満席になり、ありがとうございました。
次回の第4回口頭弁論は、2019年1月15日(火)14時から103号法廷(傍聴100席)で開かれることになりましたので、今回同様多くの方の傍聴をお願いします。

(2)法廷では、最初に、原告準備書面(1)〜(3)と書証甲16〜33号証の確認がされました。
次に、証拠調べ、甲19号証ⅮVⅮの再生が行われました。
野川の川面からジャグジーかジェットバスのように噴出する致死レベルの酸素濃度1.5〜6.4%の酸欠気泡を撮影した2つの動画です。
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(3)次に、武内更一弁護士が、準備書面(1)と(2)の陳述を行いました。
 準備書面(1)について「地下の掘削現場から野川の水面に酸欠空気が噴出」を陳述しました。
今年5〜6月、地下40m以深のシールドトンネル掘削現場で用いている圧搾空気が地層の隙間を通って地表に漏出し、世田谷区の野川の水面に気泡が噴出した。
 これは重大な事態である。大深度地下法が地上の地権者の同意も補償もなしに地下を使用できるとしたことが憲法29条に違反しない理由を、大深度地下使用により地上に影響を与えたりしないからと説明してきたことが虚構であったことが裏付けられたのだ。
 しかも、通常の空気の酸素濃度は約21%であるところ、噴出した空気の酸素濃度は「1.5〜6.4%」。人が吸えば死亡するほどの酸欠空気である。それが野川の水面だけでなく沿線のどこで噴出してもおかしくない。 
大深度法合憲論の前提は崩れた。

(4)次に、二人の原告が意見陳述を行いました。
 金子秀人さんは、トンネルの直上付近にある「みつ池」に酸欠気泡が上がってくれば、ホタルが絶滅するかもしれない。武蔵野の大地、自然を守る重要性とこれを破壊する東京外環道の愚かさを訴えた。
 大塚康高さんは、博多陥没事故を受けて外環トンネル工事中の陥没事故に備えて緊急避難計画を作ることを事業者に求めたが、7月に出てきた「トンネル工事の安全・安心確保の取組み」はひどいものであったことを指摘しました。さらに、広島高速5号線ではきめ細かな対策が立てられているのに、同じことを国ができないはずがないと訴えた。 

(5)次に、遠藤憲一弁護士が準備書面(3)について「地下水・地盤変動のアセスメントの不適切性」の陳述を行いました。
 被告国は、外環道を通すと、地下水の流動を阻害し、水位変動や地盤沈下のおそれがあること自体は認めているが、地下水の変動量は「三次元浸透流解析」という手法で正確に予測でき、その予測に基づいて「地下水流動保全工法」を講じるから大丈夫だと主張している。
 しかし、「三次元浸透流解析」に用いるボーリング調査の観測孔データ数が極めて少ないことや、降水量データには最近の大雨などの影響が反映されてないと専門家によって指摘されている。
「地下水流動保全工法」も環八井荻トンネルの失敗例もある。
これで環境アクセスが適切だなんて言えるはずない。

(6)次に、今後の進行についてのやりとりになりました。
 原告側は、これまでの主張について国側の答弁を求めた。しかし、被告側は原告側の主張が全部でてから反論すると述べたので、原告側は、再反論の必要性もあるので個別に答弁することを求めた。 
 裁判長は、「個々の質問に答弁していたら、わからなくなるので、まとめて答弁をするように」「どちらの肩を持つわけでもない。計画的に進めたい」などと述べた。
 結局、次回弁論では、気泡噴出や原告適格の問題について、答弁するように双方に指示したが、その前に 代理人と原告のみによる「進行協議」を12月21日(金)14:30から行うことになった。

 次回弁論期日は、2019年1月15日(火)14時〜(14:30)東京地方裁判所103号法廷です。今度も是非満席になるように多くの方の傍聴をお願いいたします。


[2] 報告集会の概要

(1)14時53分の閉廷後、衆議院第2議員会館に移動し、15時30分から報告集会を開催しました。
衆議院第2議員会館での報告集会にも、裁判所から一駅の移動にもかかわらず、約90名の方々がお集まり戴き、お礼申し上げます。
国会議員やその秘書の皆様にも駆けつけていただき、共闘と激励のお言葉を頂きました。

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(2)最初に弁護団から法廷でのやりとりについて報告がありました。
 武内弁護士から、法廷の経過が説明された。裁判長は原告側と国側から主張・証拠を早く出させて早く終えたい様子が見えた。しかし、そうさせないために傍聴席を一杯にしていただくことが大事です。
 最初に強調したのは、野川の酸欠気泡問題。大深度地下と地上が直結していることを酸欠気泡が証明した。無補償、無承諾で大深度地下を使用できるのは地上に影響を与えないという前提だが、それが虚構であることを示した。裁判長も無視できず、被告に答弁を求めた。なお、裁判所で上映された野川の酸欠気泡の動画を報告集会でも上映。
 国の反論の書面は「適切にやっています」「住民に説明した」と述べるだけで、中身のない、いい加減な答弁。国が持っている資料も出さない。これを出させたい。皆様の支援をお願いします。

(3)次いで、報告集会に参加した国会議員の共産党の宮本徹議員、吉良よし子議員、山添拓議員、立憲民主党の初鹿明博議員(超党派議連の「公共事業チェック議員の会」事務局長)からご挨拶をいただきました。
なお、立憲法件民主党の大河原まさこ議員秘書も参加されました。
 宮本議員は、
「野川で気泡が出たのが分かった後の7月に酸素濃度の数値を出せと言ったが出さなかったので、その後質問趣意書を提出したら【調査中】との返答。ところが8月になって【いつ調査したのか】と尋ねたら【6月】と回答があったとデータを隠していたことが分かった。とんでもない」と報告されました。
 吉良議員は、
「国は【気泡が出ない工法に変更する】と答弁したが、その後確認したところ、【工法は変えないで、気泡が出ないようにする】との返答。本当にいい加減である」と話されました。
 山添議員からは、
「国が【なぜ、気泡がでたのかわからない。地層自体は空気を通さないので、ボーリングの孔があったから出た】と述べる一方、【地下水流出の理由はどこでも空気を通すから】という、ちぐはぐな答弁をしている」ことが紹介されました。
 初鹿議員から、
「国土交通省にレクを受けたら、【調査用のボーリング孔が有ったので、噴出することになった】とのこと。ボーリング孔が40m地下まで伸びているので、【この孔の所在を調べられるか】と聞いたら、【調べられる】というので、【調べる予定はあるのか】と尋ねると【調べるつもりはない】と答えた。それではどこに孔があるのかわからないのではないか。外環全線の16kmで調査をしているはずなので、どこでも噴出する可能性が有るのではないか。住民の方々が不安になるのは当たり前。国は、【低酸素の気体は空中に出ると薄まるから大丈夫】というが、家の下に孔があったら安全でないこと、また、外環道は渋滞緩和が目的とされたが現在では、都心の渋滞は年に何度かあるだけ、目的がなくなっている。費用対効果を考えても必要ない。公共事業チェック議員の会としても、このような不要・不急の公共事業を何とかしたいと活動をしていきます」と述べられました。
(下記写真左から、宮本議員、吉良議員、山添議員、初鹿議員)
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(4)質疑応答・参加者の発言
板橋の26号線の裁判を闘っている方から、原告適格について、「計画道路に住んでないが商店を持っている人を相手側は原告不適格と主張しているが」の質問に、弁護団から「(外環道では)上に住んでいる人、上に事務所を持っている人、隣に住んでいる人、沿線で道路による影響を受ける人、都市計画の区域内(行政区内)の人を原告としているので、2km離れた人も原告」と報告。

●外環道沿線に住む参加者の一人は、「私は真上に家があり、8人で住んでいる。これから掘削が進んでいくと心配。近くの善福寺川から(気泡が)でると心配。(外環道を支える会の)ニュースを入れてもらっているからわかるけど、公の方は『いつ、どこを着工してる』という説明ない。今年、測量も突然やってきた。場当たり的のようだ。もっと周知させように。」
弁護士から「大深度トンネル真上に住んでいる人に国は知らせないのは、大深度法に知らせなければならないという規定がないから。それは、地上に影響ないからという(虚構の)前提にしているから」
質問者が、「影響無いというが、鉄筋コンクリートは建てられない、地下室はダメとなっている」との質問に、「大深度法では建築の制限ないが、都市計画法には建築の制限がある。外環道は都市計画事業承認・認可もされているので制限される。なのに大深度法で無補償だというので、それも憲法違反であると主張している」と弁護士から説明。

(5)支援者の中から各地の裁判を闘っておられる方を中心にご挨拶をいただきました。
横浜環状南線も住宅密集地の下を15mのシールドマシンが通る。現在立坑を掘っている。大深度地下でないが酸欠空気が出るのか、一緒に勉強していきたい。

●「リニア新幹線」裁判を沿線全体で730名の原告で取り組んで2年半超えた。都市圏に大深度地下使用認可申請が出された。認可されたら外環道訴訟を参考に取り組み、大深度工事をやめさせる。今回の外環道での酸欠気泡も知らせていきたい。

● 外環道青梅街道インターチェンジ取消裁判を4年やっている。運動は何十年前から。
北向きだけのハーフインターに1千億円もかける無駄な計画。
家に帰るのにタクシーを乗った時、運転手から、「この辺の運動は終わったの?」と聞かれたので、「なんで」と聞いたら「いままで旗が立っていたのになくなったから」と。旗を立ててると、こういう風に見ててくれてるんだなあと思い、早速新しい旗を立てて団結を新たにした。
裁判と地元の団結力の両輪で戦っていく。次回弁論は、12月5日11:30〜522法廷。

● 「外環の2練馬訴訟」は2013年からで、いま、最高裁。上石神井駅の都市計画もあって、集会を開くなどしているとのこと。

● 半世紀以上東京都と闘っている、小平3・2・8線の控訴審第4回では、控訴人(住民側)の主張立証に何も答えない被控訴人(国)と参加人(東京都)に対し、裁判長が10項目にわたって認否と必要なら反論をすることを求め、裁判が続行することを報告されました。

● 時間の都合で、都市計画道路連絡会世話人の方から、都市計画道路や特定整備路線の道路裁判が都内12か所で行われており、今日も多くのところから参加されていることが紹介されました。
 都市計画道路の裁判の日程は、道路連絡会のHPに掲載されています。お互いに支援することは力になります。是非、傍聴をお願いします。

 多くの方に支えられて第3回口頭弁論と報告集会が終わったことにお礼申し上げます。
 第4回口頭弁論は2019年1月15日(火)14時〜(14:30)東京地方裁判所103号法廷です。
 引き続きご支援、傍聴お願いいたします。
posted by 東京外環道訴訟を支える会 at 22:02| Comment(0) | 日記