大気汚染測定運動東京連絡会は2024年10月19日(土)、本年2024年6月6日〜6月7日に実施した大気汚染測定調査(二酸化窒素(NO2)一斉測定)の結果報告会を渋谷区立消費者センターにて開きました。
以下は、東京外環道訴訟を支える会がその報告書に寄稿した記事(外部リンク等一部補筆)です。
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外環陥没4年。地域住民追い出し、まち壊し進む!
地下乱開発、全国各地でリニアなどトンネル工事の事故続発!
東京外環道訴訟を支える会(2024年10月)
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外環陥没地域、50戸解体、住宅街が工事現場に!2020年10月に調布市東つつじケ丘の住宅街で巨大陥没事故が起きてから4年が経過。
約50戸の住民を移転させ、住宅を解体・更地にして、緩んだ地盤の補修工事が2023年8月に開始されました。住宅地が工事現場になり、地盤補修マシン・設備の大きな騒音・振動で、住環境が著しく壊されています。プライバシー侵害の住民監視・盗撮も発覚。
2年の予定期間の半分が過ぎても2割程度しか進んでおらず、工期の延長は避けられず、住民は長期に環境破壊を耐え忍ぶことになります。

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地盤補修工事は危険!入間川や市道への気泡発生を住民に周知せず2023年11月に地盤補修箇所の近くの入間川から気泡が勢いよく噴出する重大問題が発生し、工事は3か月中断しましたが、事業者は、環境への影響はないとして、住民説明会も開かないまま2月から工事を再開しました。しかし、近隣住宅の地下が破壊されたり、注入された圧縮空気が地下に滞留して酸欠空気となり地下室などに噴出する危険性は残ります。
さらに、7月には市道に気泡が発生しましたが、地域の掲示板に掲示しただけで周辺住民に周知せず、数日後に住民が気付いて大騒ぎになりました。

また、9月には入間川に気泡が再び発生しました。地域の掲示板に掲示をしたが、WEBで広く公表することはしません。
事業者がこの隠蔽体質を改めない限り、地上に影響ないとして無断で地下を掘って陥没事故を起こし、今度は補修工事で街を壊し、住民の命と暮らしを脅かし続ける状態は改善されません。●
リニア工事で井戸涸れ。外環・リニア事業者は「責任ある建設主体たれ!」「リニア工事原因か、水位低下が瑞浪で相次ぐ JR東海が対策検討、工事は続行」などの報道が5月15日前夜からメディアで大きく報道されました。既に2月に地下水位低下は生じていたのに。
未だにトンネルへの出水を止められず、9月には地盤沈下や家屋損傷も生じ、深刻です。
(参考)
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https://www.youtube.com/watch?v=KsiQ633-Nwo 岐阜県瑞浪市の地盤沈下 1か月でさらに進行
リニア中央新幹線のトンネル工事が原因か…家屋の傾斜やひび割れを調査
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https://www.youtube.com/watch?v=PileiYbG05g 1カ月で約1cm進んだ計算に…リニア工事との関連疑われる“地盤沈下” 最大3.2cmまで進行 岐阜県瑞浪市
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https://www.youtube.com/watch?v=cmoOsNOyZQA リニア中央新幹線の工事現場周辺で地盤沈下進む 専門家会議でJR東海が明らかに 岐阜・瑞浪市(24/09/25 16:37)
東京新聞の5月25日の<社説>は、
「看過できないのは、JRが2月に異常を把握してからも工事を続け、事実関係の公表や岐阜県への報告が今月まで遅れたことだ。さらに公表後も工事を続ける考えを示し、その後、地元の反発を受けて即時中断した。これでは住民側に寄り添った対応とは言い難い。」
「この先も、大小のトラブルが生じることはあろう。地域への丁寧な説明や沿線自治体との密接な情報交換はもちろんのこと、何か事が起きればいち早く情報開示する姿勢に徹してこそ、JRが約束した「責任ある建設主体」と言えよう。」
です。
これは、JR東海だけでなく、外環事業者(国、NEXCO東日本、NEXCO中日本)にも共通することです。
公共事業や地方行政は事業者の利益を優先して、住民の安全を蔑ろにしてないか。●
大雨で工事現場周辺が危険!外環区道通行止。リニア相模原土のう崩落台風余波の8月末の大雨により、30日
外環東名JCTのHランプ函体構築作業の土留壁や傍の地表面の変状(陥没)が発生し、危険な世田谷区道は通行止め、迂回路設置。土留壁崩壊を防ぐために函体部を水没させて水圧で支えている。
また、29日
リニア相模原では高さ10mの盛土の土のうが崩落し、仮囲い塀を道路に倒す事故が発生。
気候危機が深刻化するなかで、今後10年以上も住宅街の傍に工事現場があることはますます危険です。
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全国各地でトンネル工事の事故続発!上述の「リニア工事で井戸涸れ」以外にも地下乱開発により事故続発です。
1)広島市の雨水管建設シールド工事で陥没(9月26日):
道路の約30x40mの範囲と周辺住宅11棟に被害発生。周辺住民は避難
「下水道工事に伴う道路陥没事故について」
(広島市)2)横浜環状南線、桂台トンネル工事で、住民に騒音・振動・低周波音被害: ・朝7時から夜10時まで騒音と揺れに住民は「限界」
(
東京新聞6月15日)
・横浜環状南線トンネル工事 沿線の振動、騒音問題
住民の体調不良は低周波音が影響か 現地調査のNPOが報告
(
東京新聞10月8日)
3)リニア北品川非常口近くの目黒川に気泡(8月)
4)鹿児島県北薩トンネル崩壊(7月25日)。壁面から出水。2018年開通の6年後・北薩トンネル、内壁はがれ土砂流入 鹿児島、被害拡大のおそれも(
朝日新聞7月28日)
・「北薩トンネル技術検討委員会」
鹿児島県5)東京湾アクアライン、交通事故による車両火災発生(8月28日)
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人権を侵害する憲法違反の大深度地下法を廃止に! 司法・立法は?2017年提訴の東京外環道訴訟では、大深度法による事業認可の無効等を訴えています。
リニア中央新幹線でも工事差止訴訟などに加え、大深度事業認可取消を求める「No!大深度リニア訴訟」が3月に提訴されました。
外環調布陥没だけでなく各地でトンネル事故が次々と起きています。
地下の乱開発に歯止めをかけ、トンネル事故を防ぐために、司法判断を待つだけでなく、大深度法を制定した国会議員に大深度法を廃止するように働きかけています。
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東京外環道訴訟 傍聴を!第24回口頭弁論 12月10日(火)14時 東京地裁103号法廷********[お知らせ]********● このブログについてのお問合先は
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東京外環道の真実を伝える本を広めてください! 「住宅の真下に巨大トンネルはいらない〜ドキュメント東京外環道の真実〜」
丸山重威著 東京外環道訴訟を支える会編 本体1600円
推薦:浜 矩子(同志社大学教授) あけび書房
posted by 東京外環道訴訟を支える会 at 16:29|
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